Hello
第46章 ひらり*末ズ
かずside
こんなこと……まえにもあったような気がする。
俺は、目の前ですやすや寝ている恋人を呆然とみつめた。
俺の体を抱く、いつものたくましい胸や、太い腕はここにはない。
かわりにあるのは、かつてこの人が持っていた華奢な手足。
白くすきとおるような肌はかわらないが、髪の毛が若干長い。
シーツに顔をうずめて、無邪気に眠るこの表情は……幼い。
推定17、8歳ってとこかな。
俺は、はぁ……とため息をついた。
ああ……神様。
五才児もたいがいでしたが、これもどうなのでしょう?
やらしいことしたら、俺、犯罪じゃん。
いつだったか。
摩訶不思議な力で、五才児に姿をかえられた潤くんと過ごした冗談のような1日。
可愛かったけど……やっぱり現実の潤くんが一番だって思ったはずなのに……。
どうみても、高校生くらいの姿をした……潤くんが、ゆるゆると目を開けた。
そして、ベッドに座り込んでる俺に気がつき、手を伸ばした。
「おはよう……かず」
「おはよう……」
「どうした?」
なんともいえない表情をしている俺を見て、潤くんが怪訝な顔をした。
どう……って……あなたはどうなのよ?