Hello
第47章 宴 4
Satoshi
20周年を理由に、周囲から、とてつもない規模でお祝いされ続けてるここ最近。
それに少しでも応えられるように、俺らもありがとうの気持ちを、たくさん周りに伝え続けてるつもり。
みんなあっての俺らだもの。
ファンの子がいて。
支えてくれる人がいて。
……だから成り立ってるのは充分すぎるほど分かってるし、感謝してる。
でも、誰よりも何よりも大事なのは……この世で一番感謝してるのは。
「……兄さん?」
こてんと頭を、その撫で肩にのせたら、翔くんが心配そうに俺を見たのが分かった。
「リーダー出来上がってない?」
向かいで、ポテチを食べながら相葉ちゃんが、くふふっと笑ったのが聞こえた。
うん……すっげー気持ちいー……
ふわふわする頭は、もうまっすぐにしとくのが難しいくらい。
口角があがるのがとめられない。
んふふふ、と笑って、全体重を翔くんに預けたら、翔くんがそっと体をそらして、俺を横たえた。
いわゆる、膝枕ってやつ。
あー……これ、松潤に怒られないかな……と、ぼんやり思っていたら、翔くんが、それより先に松潤に言い訳するから笑っちゃった。
「兄さん寝てるから」
寝てないよ。
言いかけてやめた。
翔くんの声と体温が心地いーから、ちょっと寝たフリしちゃお。
「珍しいね。リーダーってわりかしアルコール強いのに」
松潤の声。
ソファがゆらりとゆれたから翔くんを挟んで反対側に座ったのが分かった。
俺の髪の毛が、フワフワと優しくさわられたような気がする。
「……この人の髪の毛、相変わらずフワフワで、気持ちいいな」
松潤か。
……なんか翔くんに膝枕されて、松潤によしよしとされて。
いつもなら年長の立場を理由に恥ずかしい構図だけど、なんだかくすぐったくて照れ臭くて……嬉しい。
俺、そーとー酔ってんな……
「にのは?大丈夫?」
「あー……うん。ちよっと寝かせたら大丈夫じゃないかな?」
翔くんの問いに、相葉ちゃんが答える。
早々とつぶれたにの。
飲み始めてしばらく、くだを巻いてたけど、突然電池が切れたように、相葉ちゃんの膝で寝ちゃったんだよね。