テキストサイズ

Hello

第50章 りんごくん * 末ズ



「……うまい」


フォークでちびちびペンネを口に運ぶニノ。
ピリ辛だから、同時にビールも進む。

五缶目のプルに指をかけ、空になったグラスにそそいでやると、ありがと、とニノは笑んだ。



「おかわりもあるけど?」

「……そこまで食えないよ」


ニノは笑って、クピクピとビールを飲んだ。

その真っ白い喉がコクリと蠢く様が、さあ、俺を食えよ?と、煽っているようで、平常心を保つのに苦労する。


俺も持ってるグラスを空にして、新たなビールを注いだ。

なんだかんだで、スープも完食してるニノは、腹一杯、と丸いお腹をさすって満足そうだ。


「ごちそうさま」

「ん。お粗末様」



……今でこそこいつの傍にいる権利をゲットしてる俺だけど、気持ちが繋がる前までは大変だった。


ニノのリーダーにするスキンシップは、時々度を越えてて、胸がざわざわするし。

相葉くんとの歴史は絶対に俺には越えられないし。

翔くんとニノが現場をまわしはじめるその呼吸に、俺はついていけないし。


俺なんかがニノのことを好きになってもいいのかな、と悩んだ時期もあったけど。


『潤くんがいい』


……ニノのその一言で、俺はこいつを愛していこうと決心したんだ。



「なに考えてんの」

至近距離で声がしたかと思ったら、回転椅子をくるんとまわされた俺の膝に、にのがするっと乗ってきた。


「…………」


そのままギュッと抱きついてきたニノの体重をうけとめて、俺は彼の背中に腕をまわす。
薄い体は、力をいれると折れそうだから、優しく背中をさする。



「はぁ……酔っちゃった」

「……そうみたいだな」



ポッポッとしてる体。
舌足らずな言葉。


……全てがいとおしい。


「……ねぇ」


声音がかわった。

俺は、体をおこし、返事をするより先にニノの唇を奪う。

ゆるゆると、だんだんと、甘く深く。


小さく吐息をもらす薄い唇をふさいで。



「ふっ……ぁ……潤くん……」



愛してる。

この罪作りな小悪魔は……誰にも渡さない。



今度こそfin💗

ストーリーメニュー

TOPTOPへ