Hello
第54章 宴 4
「おじゃましまーす」
「はい、お土産」
最初にやってきたのは松潤と相葉くん。
二人とも、どこぞの料亭からのテイクアウトやら、高そうなシャンパンやらをキッチンにドサドサ置いてくれる。
「お、サンキュー。うまそう!」
「でしょ。嵐会のとき好評だったから、別バージョン注文してきたよ」
中身をみてテンションあがる俺の肩を、松潤が、ねぇ……と、そっとつっついてきた。
「……翔くん……なにか作ってくれたの?」
「え?」
「だって、あれ……」
松潤の視線の先はシンクに山盛りになった大きな鍋ふたつ、ザル、菜箸。
ほほう。気づいてくれたんだ。
「あれ?枝豆茹でたんだ」
得意気に言って、テーブルに置かれた皿をゆびさす。
……松潤の目が点になった。
……あれ?どした?
と、思っていたら、相葉くんが、ぽつりと呟く。
「え……あれ、何キロゆでたの……?翔ちゃん」
「すげーだろ?買いだめてたやつ全部茹でた」
二人に褒めてもらえると思って、俺が鼻をふくらませて説明すると、しばらく黙ってた松潤は、微笑んでそうね、とうなずいた。
「……夜は長いし。みんなで食べたらすぐなくなるね」
「だ、だよね!だよね!翔ちゃんの手料理なんか貴重だもんね!」
「……?」
相葉くんのとってつけたような笑顔が気になる……が、とりあえず二人とも気を取り直したように、サラダなどの盛り付けを始めたから、おれは邪魔にならないように、割り箸をならべたり裏方の仕事を始めた。