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Hello

第54章 宴 4


続いて到着したのは、にの。


山のようなお酒と乾きもののおつまみをもって、リビングに入ってきたにのは、テーブルの上の枝豆の山を見つけるなり、


「翔ちゃんが用意してくれたの?」


と、微笑んでくれた。
よくわかったな、と、驚くと、そりゃね、と意味深な顔。


やっぱり、豪快に三キロ茹でて正解だったな、と思う。

いや、これだってな、こだわりなんだぞ。
自然解凍より、一手間かけて、茹でた方がウマイんだぞ。
分かってくれるよなぁ……さすがメンバー。

一人悦に入ってると、ピンポーンとインターホンが鳴った。


「兄さんだ」


俺が扉をあけに、いそいそと出迎えると、智くんは、大きなケーキの箱を持って入ってきた。


「お誕生日ケーキ買ってきたよ~」


のほほんと笑って登場した智くんは、テーブルの上をみて、恐ろしいものをみつけたという顔になり、その場に立ち尽くした。


「その……バカみたいな量の枝豆はいったいだれが……」

「わー!リーダー!」

「はい!リーダー!ケーキ!ありがとう、早くこっち置いてー」


智くんの声にかぶせるようにみんなが口々にしゃべりだす。

にのが智くんの脇腹をこづいてる。


……俺、やっぱりやらかした??


四人の反応をみて、俺は、苦笑いして頭をかいた。


やっぱり、やり慣れないことはやるもんじゃないね。

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