Hello
第60章 ⭐️⭐️⭐️ * 大宮
Satoko
ギラギラと照りつけていた太陽は、いつの間にか成りを潜め、気持ちのよい気候の季節となった。
朝晩は冷えるようになり、上着が必要だが、日中はまだまだ暑い。
俺は、アイスティーのグラスを、傍らのテーブルにおき、大きくのびをした。
「んーー……いい天気」
清々しい青空のもと、バルコニーでお茶を飲むほど、気持ちよく贅沢なことはない。
カトリーナの作ってくれたクッキーを、気分よくぱくりとかじると、
「天高く馬肥ゆる秋……ですね」
アイスティーのおかわりを運んできたマリウスが、くすりと笑った。
俺は、ムッとしてマリウスを振り返った。
「……その言葉知ってるぞ」
「おや。素晴らしい」
「トーヨーの言葉だろ」
「勉強なさったんですか」
「……昔、ミヤが言ってた」
カトリーナのケーキを三つくらい食べてた頃だ。
嫌味みたいにいわれた。
確か……
「食いすぎたら馬みたいになるってんだろ」
「……ちょっと、違う気もしますが」
苦笑いするマリウスをじろりと睨んで、俺は手にしてるクッキーを口に放り込んだ。