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Hello

第60章 ⭐️⭐️⭐️ * 大宮


おまけ

ピックアップありがとうございました❗️20211022


Miya in ニノ国 後日談



空をみて、薔薇をみて、本を読んで。

……紅茶を飲んで。



「……カズナリ様?大丈夫ですか?」


恐る恐る話しかけてきたショウリに目をやる。


「……何がだ」

「いえ、あの……なんだか、とても上の空な感じが……」

「……別に。そんなことない」


あわあわしてるショウリを、仏頂面であしらっていると、


「ちょっと!なに陰気な空気だしてんのよ!」


ノックと同時に入ってきた元気な声に、二人同時に顔をあげた。



「カエラ……」

「もう。カズはバカね。そんなに暗い顔するくらいならサトコの誕生日会、自分が行けば良かったじゃん!」


大の国から帰国してまっすぐ俺の部屋に来たのであろう。

いつもはめったに目にすることのない、パステルカラーのよそゆきのワンピース姿のカエラは、俺の部屋の入り口で仁王立ちだ。


「…………」


黙りこくる俺に、カエラはあきれたようにコツコツヒールを鳴らして近づいてくる。

俺は、ちらりとカエラをみて、呟いた。


「……おかえりなさい」

「ただいま」

「お疲れ様でした」

「疲れてなんかないわ」

「…………」

「…………」

「サトコさまは……」

「元気そうだったわよ。相変わらず可愛いわね、あの子」

「……そうですか」


それを聞いて安心する。
元気ならそれでいい。

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