Hello
第61章 CAT with *バンビズ
それで、だ。
あろうことか、相葉くんは、俺にこれを持ってきて、「潤につけてみろ」といった。
とても可愛いから、と。
俺もそのときは、興奮してつい受け取ってしまったけど……よくよく考えると、俺の恋人がつけてくれる可能性はゼロだと気がついた。
こんな道具、あいつが最も嫌うものだ。
その理由は99パーセント恥ずかしいから、ということであるのは百も承知だが、そのうえで、もしもそれを強いてしまうと、むこう一週間は口をきいてくれそうにないのが恐ろしいところだ。
「……うーん……」
だけど……
「可愛いだろうなぁ……」
「なにが?」
「ぅおっ」
コーヒーの入ったマグカップをローテーブルに置いた潤が怪訝な顔をする。
「……どしたの?」
「い……やいやいや。なんでもない」
「……ふーん?はい、コーヒー」
「お……おう、さんきゅ」
俺の挙動不審な態度に、首をかしげ、潤はスマホ片手に俺の隣に座った。