
Hello
第61章 CAT with *バンビズ
胸を波打たせ、激しく呼吸を繰り返す潤は、ぼんやりとしてる。
猫の耳は、へにゃりとたれて、それがまた庇護欲をかきたてられる可愛さだ。
「……潤」
しっとりと汗をかいてる額に触れ、前髪をかきあげてやると、
「しょ……く」
潤が、ふっとこっちに視線をうつした。
「……翔くん……」
そうして、花開くようにふわりと笑った。
「……潤」
それが、ものすごく綺麗で、一瞬見惚れていると……潤はゆっくりと目を閉じた。
「…………………」
「………………」
静寂
俺は、嫌な予感がして、潤の肩を揺すった。
「……おい」
「…………」
「こら、潤」
「…………すぅ」
「~~~!」
すー、じゃ、ねえだろ!!
俺は、慌てて潤の体を揺するが、一瞬で夢の中に飛び込んでいった彼は、目覚めることはなく。
寝起きの悪さが、天下一品のこいつは、一回眠ったら起きないのも、また常で。
出すものだして、スッキリしたのか、潤は微笑みすら浮かべて、うーん、と寝返りしたかと思ったら、すやすや本格的に寝始めた。
「……まじか」
…………どーすんだよ、これ……
俺は、幸せそうに眠るネコ潤を前に、半泣きで、合体しそこねた分身とともに前屈みになるしかなかった。
