Hello
第61章 CAT with *バンビズ
「潤くん。今日はうちおいでよ」
どこから聞いてたのか、すべてを察したかのようなニノが、潤に声をかけた。
「……そうする」
潤は、俺を冷たく一瞥して、踵を返した。
玩具だとか……今回はそうではないけれど、そういう道具を使う行為が苦手で、なおかつ周りにこういう話をすることも嫌がる潤だ。
もっとも、それらはすべて恥ずかしいからだ、ということはわかってる……が。
……今の俺は、潤にとっては悪の権化みたいに見えるのだろう。
「……ドンマイ」
ぽつりと相葉くんがいうから、俺は潤の後ろ姿を見つめてから、じろりと相葉くんを恨めしげに睨んだ。
「誰のせいだよ……」
「心外だな。楽しめたでしょ?」
「………いや…」
「松潤可愛かったでしょ?」
「……う……」
否定はしない。
確かにネコの耳をつけた潤はスーパー可愛かったけど……。
口ごもる俺に、潤の怒鳴り声がとんできた。
「余計なこといわない!」
「はい!」
俺は、ぴっと姿勢をただして、返事をする。
潤の横で、ニノが、やれやれ……という顔で、相葉くんを見つめて、小さく頭を振った。
相葉くんもあきらめたように呟いた。
「……俺も今日は帰れそうにないや」
「……うちくるか」
「……うん」
あのネコ耳は、熨斗つけて相葉くんに返却しようと心に決めた。
……ニノには、どうやって使ったの?
思わず聞いてしまいそうだけど。
fin.