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Hello

第62章 やさしくて * にのあい


お互いに束縛しあうことはやめよう、と。
口に出したことはないけれど、暗黙の了解でここまできた。

根底にあるのは、確かな揺るぎない愛。
そのうえで、それぞれの世界を大事にしてきてるつもりだ。

俺が出かけても、カズはなんでもないことのように受け流すし、もちろん、俺もカズのつきあいに口を出さないし出すつもりもない。

長年のつきあいだから、そこらへんは心得てる。

でも………時々、やっぱりこうやってきちんと気持ちを確かめ合わないといけないな、と思う。

ソロで動くようになって、現場で会うことがなくなってるぶん、意識して顔をあわすようにしなければ。
一緒に暮らしていても、ロケなどが入ると、平気で何日も会えないこともあるくらいだからね。


……もうすぐ彼の誕生日。


今年は奮発して、どっかのホテルのスイートルームでもとっちゃおっかな。
それで、ずっとイチャイチャして過ごそう。

もったいないと、チクリと嫌味も言われるかもしれないけど、そんなの想定内。
照れ隠しだって、俺はちゃんと分かってる。

俺の気持ちをいっぱいいっぱい感じてもらおう。

それで、安心してくれるなら、どんなことだってしちゃうからね。


「……カーズ」


愛してる。



20220625

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