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Hello

第62章 やさしくて * にのあい


Aiba



柔らかな頬にそっと触れると、カズはむにむにと無意識で口を動かし、再び、すうっと深い眠りに落ちた。


…………かわいいな


一般的には、年齢的にそぐわないこの表現が、こいつにはいつまでもしっくりくる。


俺は、カズの額にかかる前髪をそっとすいた。


さっきまで繋がり続けていたから、俺たちの間の熱はまだ少し余韻が残ってて。
汗ばんでいるカズの額を、そのまま手の甲で拭いた。

カズが、俺にもぞっとすり寄ってきた。


いやに、最近かまってちゃんだな、と思ってた。
だから、寂しいんだろうな、とも思ってた。
故に、今週の休みは、2人でどっか行こうかな、なんて思ってたんだけどさ。


……あんな風に言葉にされると、まいっちゃう。


ツンデレなカズは、普段言葉で俺に甘えるなんて一切しないし、まして自分の素直な気持ちを言うなんてことも滅多にない。


よっぽどモヤモヤしてたのかもなぁと思うと、反省することしきりだけど、俺のカズに対する想いは、年々膨らんでるし、こいつより大事なものなんてないと思ってる。

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