Hello
第27章 Just a bit * バンビズ
Sho
そんなにきつく言ったつもりはなかったんだけど、思いのほか、傷ついた顔をしてる潤を見て、瞬時に己の失言を悟った。
「いや、だからさ」
慌てて、弁解しようとするも。
「………もういいよ」
冷たく言って、少し離れた場所にぽすんと座り、スマホをいじりだした潤に、再びかける言葉が見つからず、俺は、言葉をのみこむことしかできなかった。
妙な沈黙に耐えきれず、かといって、話し掛けることもできず、意味もなく手元にあった雑誌をパラリとめくったら。
「……翔ちゃん、今のはダメだよ」
柔らかな声音でぼそりと一言言われると同時に、俺の座ってるソファの片側が、ふわりと沈んだ。
俺は、ゆるゆると顔をあげて、あきれたように苦笑う大野さんの顔をみつめる。
ああ………そーか。
こんな場所で言い合いなんかしたら、そりゃみんなに聞かれるよな。
………カッコ悪ぃな、俺。
押し黙る俺に、大野さんはだめ押しのように言い放った。
「あれじゃ、松潤怒って当たり前」
「………いや…分かってるけどさ………」
それでも、ぼそぼそ言い訳しようとしたら、大野さんは即座にバッサリ切り捨てた。
「分かってんなら、さっさと、ごめんって言っておいでよ」
「………だって。行っても、ぜってー俺の顔見てくれねぇよ」
「バカだなぁ。こーゆーのは、早けりゃ早いほどいーんだよ」
うじうじと手元にある雑誌のページを開けたり閉じたりしてると、大野さんは、ため息をついてその雑誌を取り上げた。
「………あ」
「あ、じゃねーよ。ほら」
顎で、拗ねモードの潤をさされ、俺は、渋々立ち上がった。