Hello
第28章 すきすき * にのあい
Nino
部屋の中が、薄ぼんやりと明るくなっているのが、閉じているまぶたを通して感じ、朝が来たことを察した。
遅くまで、ゲームをしていたせいか、未だに脳ミソが覚醒しない。
遠くでアラームがなった気がしたけど、起きる気になれずにグズグズと布団にしがみつく。
「にのー朝だよー」
ぱたんと、ドアが開いた。
フワリとコーヒーの香りが漂ってくる。
早寝早起き朝ごはんを、地でやってるあいつは、とっくに起きて、仕事に行く準備万端なようだ。
俺は、今日は昼からで、あいつとは入りの時間が違うから、アラームも少し遅め。
「昨日は何時までゲームしてたの?」
楽しそうに近寄ってくるのを感じる。
俺は、くちゃくちゃの頭を少しだけ動かして、呟いた。
「………4時」
「元気だね~」
だって。
ドラマ撮影の続く朝が早い相葉さんは、俺が仕事から帰ったら、もう寝てたしさ。
………つまんないじゃんか。
で、退屈しのぎにゲームを始めたら、寝るのが遅くなるのは必然でしょ。
ぼんやり夢の中と、現実をいったり来たりしてたら、突如ベッドに潜り込んできた相葉さんに、後ろからぎゅっと抱きしめられた。
「うーん………にのの香りがする~」
「バカ……おまえ離せ」
そのままチュッと首筋に、キスが落とされ、不意の刺激に、体がピクリとした。
「ちょっ………」
「いい反応」
くふっと笑って、そのままさわさわと体を触ってくるから慌てて体を捩った。
「あいばさ………ん、っ」
「大丈夫。俺、もうすぐ出るから、襲わないって。ちょっとだけこのまま、ね?」
「………」
低く囁かれて、また、ぎゅっと抱き締められたから、ゆっくり体の力を抜いた。
「ふふ。ありがと」
ふわりと漂ってくる相葉さんの香り。
たくましい腕。
熱い吐息。
………ドキドキしてくる。
「ねぇ。にの」
「………なに」
「欲しくなっちゃった?」
するりと前を撫で上げられて、体がはねた。
もう………!
「………朝だから」
「ふふ。そ?」
甘い囁きに、流されそうになる。
相葉さんに、こんなんされたら、平静じゃいられないのは当たり前じゃんか。
「あー…にのとずーっとこうしてたい」
「………ばか。早く仕事行けよ」
「だって。こんな可愛いのに」