Hello
第28章 すきすき * にのあい
「可愛いっていうな」
「可愛いよ。35には見えない」
ムッとして振り向いたら、そこには、ん?と無邪気に微笑む相葉さん。
その笑顔に、なにも言えなくなる。
黙って、じとっとした目で、相葉さんを見つめてたら。
………相葉さんの優しい瞳に少しだけイタズラな色があらわれた。
「ね………苦しいよね。抜いたげる」
「ちょっ………」
「ほら。出しな」
「っ……こら、触んな!………ぁ」
相葉さんの長い指が、俺のハーフパンツのなかにするりと、入った。
「おまえっ………さっさと仕事いけよっ」
「………これすんだらね」
「………ぁん、っ」
後ろから抱きしめられて追い上げられ、またたくまに熱を吐き出しそうになった。
「はっ………んっ」
少しだけ残ってた理性で、ギリギリで踏みとどまったけど、
「にの………」
後ろから熱く息を吹きかけられ、耳をペロリと舐められた瞬間、
「!………………んんっ」
あっけなく、相葉さんの手の中に、出してしまった。
………マジか、俺。
あまりに早い結果に顔が熱くなる。
恥ずかしくて身動きできないでいたら、
「…いい子」
お兄さん風ビュンビュン吹かせて、嬉しそうに囁かれた。
「………」
こーいうの、ほんとかなわない。
一枚上手というか。なんというか。
頭元にあったティッシュを数枚抜き取り、手早く手を拭いて、相葉さんは俺を正面からぎゅっと抱きしめ直した。
「……」
そうして、気づいてしまう。
腹にあたる相葉さんの変化したもの。
くすっと笑って、俺は、体を捩った。
「…これ。いいの?」
「……あまりよくない」
「時間は?」
「ああっ!無理。あと五分で出る時間!」
泣きそうな相葉さんの声に、形勢逆転。
「………お気の毒」
恥ずかしくてあげれなかった顔を、わざと相葉さんの胸におしつけた。
「………にのが可愛いのが悪い」
「悪いのはどこでも発情するおまえ」
「ええっ?(泣)」
俺は、時間ギリギリまで相葉さんの胸のぬくもりを楽しみ、さんざんからかって仕事に送り出した。
あいつの不自然な位置にあるカバンに、笑いが止まらなかった。
………さあ、今日も頑張るとするか。
俺は、相葉さんのいれてくれたコーヒーを飲みながら、朝の光に輝く窓の外をみつめた。
Fin.