Hello
第31章 Be yourself *バンビズ
Jun
ハア…ハア…と激しく呼吸しながら、全身の力をぬいた。
イッたばかりの体は、心地よい倦怠感に包まれて。
汗と涙でぐちゃぐちゃな俺の目元を翔くんは、ペロリとなめとり、
「……気持ちよかった?」
と、低く囁いた。
俺を見下ろす翔くんも、汗だく。
顎からぽたりと落ちてきた汗が俺の頬にあたり、思わず笑みがこぼれた。
「うん……気持ち良かった」
付き合ってから、まだ数回しか重ねたことのない体は、最初こそきついものの、繋がってさえしまえばあっという間に快楽をともにすることができた。
「翔くんは?」
少し不安になり聞いてみる。
俺は気持ち良かったけど。翔くんがそうじゃなかったらどうしよう?
「……俺?……すっげ、気持ち良かった」
「……良かった」
いまだ繋がったままの下半身。
俺のからだの中にはまだ翔くんの猛々しいものが埋まってる。
なんだか幸せで、俺は翔くんの背中を引き寄せた。
少ししっとりしてるのは汗のせいか。
ぎゅっとしがみついたら、翔くんは俺の肩に頬をよせ、くすっと笑った。
「……エッチしたら、こうやってくっついてくれんのな。おまえ」
「……え?」
「俺の隣に座らないくせに」
ボソッと指摘され、俺は、クスクス笑ってしまった。
「……だって。緊張するんだもん」
「はあ?なんで」
「なんでも」
ずっとずっと憧れ続けてきた人と、ようやく恋仲になれて。
緊張するな、というのが無理な話でしょう。
「…だから、酒の力借りたのか?」
「もう、とっくにさめちゃったけどね」
「……ばかだな」
翔くんは、男前に微笑んだ。
「緊張してるおまえも可愛くて、俺は大好きだぞ」
言いながら、腰をぐっとおしつけられて。
「……っあっ……もう!」
「なあ、このままもう一戦しよーぜ」
「あんっ…あっ…」
「おまえが素直なうちに」
「……あっ……あ…ちょっ…翔くん!」
腰を揺さぶられて俺は声をあげるしかなかった。
俺より一枚も二枚も上手な翔くん。
大好き。
これからもよろしくね。
俺は、ぎゅうっとあそこに力をこめた。
「……こらっ!バカ、出る!潤!!」
お返しだ。
end.