Hello
第31章 Be yourself *バンビズ
Sho
じっと潤の様子を見ていたら、結構な勢いで飲んでることにきづく。
酒には強い方なのは知ってるけど……もう少しゆっくり飲んだらいいのに。
悪酔いするぞ?
そんなことを思っていたら、潤が隣に座ってくれなかったことなんかどうでもよくなり。
だったら俺がラグに降りたらいいか、と大人な自分にスイッチできた。
「……」
静かに床に滑り降りて、そっと潤の肩を抱く。
スキンシップが、普段から決して多くない俺らにとっては、こんなことも慣れてないせいか、肩を抱く方も抱かれる方もお互いにまだぎこちない。
だけど、一瞬固くなった体は、しばらくしてその緊張をとき、俺に素直に凭れてきた。
「もっとゆっくり飲めよ……」
声をかけたら、うん……と小さな返事。
うつむく表情が気になり、その顔をのぞきこんだら、ふっとあげられた顔に、ドキンとした。
急激に摂取したアルコールのせいで、ほんわりした目元と、うっすら色づいた頬。
潤んた瞳は色気をもち、俺の理性を激しく揺さぶる。
……なんていう目をしてんだよ?
思わず肩を抱く手に力をこめた。
ひかれるように俺を見上げるその赤い唇を、………ゆっくりとふさいだ。
「……」
「……」
チュッ…と、音をたて、離して。
もう一度柔らかく重ねて、離して。
チュッチュッと、啄むように軽いキスを繰り返していたが、
「……ん」
甘くあがった潤の吐息のタイミングで、俺はするりと舌を差し込んだ。
「……ん……ぅ」
潤がぎゅっと目をつぶって体を固くした。
芝居であれだけラブシーンを演じ、周りを魅了するような男の色気をふりまいてる潤だが、俺の前では、てんでウブなのも、つきあいはじめてからわかったこと。
役者の仮面をはずした素のあいつは、どれだけ、格好をつけようが、どれだけとんがろうが、昔から少しもかわってなかった。
唾液がまじりあい、口の端からいやらしい音がするが、俺は舌で潤の口内を存分に味わった。
「……はぁ…潤…舌、出して」
キスの合間に囁くと、潤は、素直に舌を差し出してくる。
「……………」
おずおずと俺の口に入ってきた潤の舌を絡めとり、より深く繋がった。