
Hello
第32章 宴 3
「去年は、俺の家だったろー?だから、今年は相葉ちゃん」
んふ、と微笑むリーダーが、さも当然というように言った。
……聞いてないけど?
「え。待って待って。そんな約束だった?」
焦る俺に、にのは、あきらめなさい、と言わんばかりの悪い笑顔を浮かべる。
丸い手が、ポンポンと俺の肩にのった。
「そうみたいですよ」
そうみたいって……。
一瞬唖然とするも。
「……まあ、いいけどね。いいけど!でも、初めて知ったけど!」
ふふはっと笑ったら、翔ちゃんと松潤が、でしょう?とばかりに、ニッコリ笑った。
「兄さんのたっての希望だから」
「さ。相葉くん。あきらめてつまみでも作ろ」
うちらは、リーダーにはとことん甘い。
リーダーの願いなら叶えよう、みたいな風潮があるのは確か。
……なんだかわかんないけど、まあいいや。
静かなリビングが、ガヤガヤ動き出した。
みんなで、お祝いできるのも、うちらならではだもんね。
スケジュール如何によっては、集まれないことだってあるんだ。
こうやって、集まれるのは奇跡だもの。
俺は、松潤に自分のエプロンを渡しながら、冷蔵庫に向かった。
そんな俺の背中に、のんびりとリーダーの追い討ち。
「……まあ、それに、ここならお前ら存分にいちゃついてもらっていいしなー」
「……?」
は。どういう意味……?
「俺んちの風呂は、もう二度とお前らにはかさねぇよ」
俺とにのの顔が固まったのはいうまでもない。
Fin.
