僕のまーくん。
第11章 それぞれの誤解
Aside
さっきから、翔ちゃんの視線の先が気になってる僕……。
会った時から、かずくんを見る目が今までとは違うと確かに感じた。
……まあ、翔ちゃんからカミングアウトされたからそう見えるのかもしれないけど……いやっ!違う!
あのかずくんを見つめる目はやっぱ、オスの目をしているぅっ!!
警戒しなきゃだッ!
翔ちゃんは、真っ直ぐだからこうと決めたら絶対、それを成し遂げるまで動くはずだ!
可愛い、僕の、僕だけの←(強調)かずくんを翔ちゃんの魔の手から守らなきゃだ❗
僕しかいないんだからッ!
心の中で、ブツブツ呟きながら誓った。
今だって、大ちゃんとなんだか、ほんわりとした空気の中かずくんが可愛らしく小首をチョンって傾けて、
「じゃあ、大ちゃん先輩?」
なんて、会話してる中にいきなり翔ちゃんがINしてきたし!!!
…………んもうっ!「二ノ」なんて、勝手に呼ぶなよ!
僕は、自分でも気付かないうちに翔ちゃんを睨んでしまってたみたい。
「まーくん?」
隣の可愛いかずくんの、声でハッとしたし……
ヤバい……顔に出てる?
いつものまーくんでいなきゃ。勘が鋭いかずくんに気付かれてしまう!
「何?かずくん、どした?」
自然に、自然に……ニッコリ笑ってかずくんを見る
ホッ。大丈夫だったみたい……
あー、会っていきなりこんな精神状態ヤバくないかな?
翔ちゃん、頼むからかずくんにちょっかい出さないで……
それから、どうするか、話してから僕らはとりあえず街に出るために電車に乗った。
………………は良かったけど………………
なんで、翔ちゃんがかずくんの隣を陣取ってんですかぁッ?!
横1列に並んで5人座れたのは良かったけどさ……
かずくんを真ん中に挟んで、僕と翔ちゃんが左右に座ってる。
おかしいでしょ!
あなた、大ちゃんの隣に行きなさいよ!
そこは、松本くんが座るのが普通だよね?
だってさ、まだ馴染みのない松本くんは自然にかずくんの横に行くでしょうが!
僕は見ていたよっ!
翔ちゃんが、松本くんを追い抜いてかずくんの隣をしっかりキープした所をぉぉ!!
そんな、松本くんと大ちゃんは僕の左に二人並んで座ってた。