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僕のまーくん。

第13章 スマホ事件




頭ん中、

フリーズしちゃってる……

僕……



チャプチャプいってる海水に

混じって

聞こえてきた

櫻井先輩の……一言……




「ニノ?」



先輩の顔がまだ、近すぎて
前を向けなくて
俯いてる僕……


 

「聞こえてる?」




「やっとふたりになれたから」




…………先輩の言葉に
動揺しまくった僕は、



「あのッ、あの……」



「からかってる……だけですよね?」



やっと、それだけ言えて。


でも、まだ顔は見れなくて……



さっきの、先輩が言ってた言葉を
リフレインする


《相葉くんには、言ってたんだけど》



まーくんは、じゃあ知ってたの?



この人の気持ち知ってて、僕には
黙ってたって事?


しかも、僕にそんな気がある人と一緒に
ふたりきりにさせちゃうなんて……


まーくん……ショックだよ……



そんな事を一瞬考えてたら、






「からかってないよ」



急に近くから聞こえてきた一言に
思わずビクッとしてしまう。



「そんな、反応……ずるい」



櫻井先輩が、僕を見る目が
なんだか、さっきと
違う



「可愛い……本当に。ニノ……」



僕の髪を、そっと撫でる
櫻井先輩の手に
何にも出来ず……
ただ、されるがままの僕。




「相葉くんは、こうやって
いつも触れるの?」




!!!




「俺は今から、相葉くんの替わりには
なれないのかな?」




「……先輩……何、言ってるんですか?」



声が震える。






「だって、付き合ってるんでしょ?」




……どうしよう!!?何て言えばいいの?





「ニノは、相葉くんが好きなの?」





…………………………。





「フハッ!顔に書いてあるし!」




………………………………。





「ニノと、今日は仲良くなりたかったんだ」





そういう櫻井先輩に、なんて
返していいのか全くわかんない僕。



ちょっと泣きそうになる。
この状況に……やっとの思いで、


「先輩……手離して下さい」


濡れた髪の毛を触ってる
先輩の手を、そっとのけようとした。


「ニノの、その目……ヤバい……」



先輩が払おうとした僕の手を掴む。

!!!?


ちょっ……




 



 

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