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僕のまーくん。

第1章 幼なじみまーくん

Nside


「かーずくーん、おっはよー!」

朝。聞きなれた大好きな声が、いつもの時間に聞こえてきた。

「はあぁーい。ちょっと待って。」

ドタドタと僕は階段を降りて、大好きな人の所に急いだ。

「行ってきまーす」

母さんが、キッチンからちょこっと顔を出して、

「行ってらっしゃーい」

と、ニコニコ笑顔で見送ってくれた。

いつもの日常。

太陽みたいなキラッキラな笑顔が、玄関を開けたら僕の目線の少し上に見えた。

「まーくん、おはよ。」

「おはよっ。かずくん。行こっ!」

1つ年上の僕の幼なじみ。まーくん。

近所で小さい頃から、ずっと一緒に遊んでくれてる僕の大好きな大好きなまーくん。同じ高校に通えるようになって、3ヶ月。

慣れない高校生活に、まーくんは心配してくれて毎日迎えに来てくれる。

‥……‥……それが僕にとっては、本当に嬉しいんだ。

心の中で呟く。

まーくんと、手つないで通学してみたいなぁ。

小さい頃みたいには、いかないだろうけど‥……

誰が見てもイケメンの僕の大好きな幼なじみまーくんは、そんな僕の心の中の想いなんか知るはずもないんだ。

小さい頃は、手つないでくれてお兄ちゃんみたいな存在だったまーくんを意識しちゃったのは、僕が中学三年生になった頃。

高校生になって、新しい制服で歩いてるまーくんを帰り道みかけた。

同じ高校の友達かな‥……‥……

制服を着た可愛い女の子と一緒に楽しそうに、歩いてた。

いつもの、キラッキラの太陽みたいな笑顔が、隣にいる僕の知らない女の子に向けられてるのを見た僕は、急にギュッと心臓を掴まれたみたいな感覚に陥った。


‥……‥……‥……‥……。

なんだ?僕‥……‥…。


いつもみたいに、「まーくん!」って呼べなかった。

僕に、全然気付かないまま歩いて行ってしまったまーくん。

まーくんの隣にいつもいたのは僕なのに‥……


イヤだな‥……‥……‥……。

イヤ?

モヤモヤしちゃった訳のわからない気持ちになんだかイライラまでしてきて‥……

そのまま家に帰ったあとも、ずっとさっきの女の子と楽しそうに歩いてるまーくんを思い出していた。

‥……‥……僕はまーくんが‥……好き‥…?

好き‥…じゃない!

いやッ!大好きだッ!

幼なじみだけど!‥…ってか、その前に男同士だけど…







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