
僕のまーくん。
第19章 恋のLINE攻撃……
正門から、出てちょっと先の曲がり角で
ふたりの姿を待つ僕。
ここなら、反対側だしバレないはず。
……尾行なんて、何やってんだろ。
暑いなか……
さっさと帰ればいいものを。
やっぱ、すご~く気になって。
あっ!きた!
ユニフォームから着替えた翔ちゃんと
可愛いかずくんが、微妙な距離感で
並びながら出てきた。
ん~、なんかやっぱ、やだな。
ここからじゃ、何を話してるかなんて
全く分からない。
でも、近付きすぎるのも……ね。
見つかったら、言い訳しようがない。
……さっきから、ふたり。
どこに向かって歩いてるんだろ?
微妙な距離感を保ちながら、
どこかを目指しながら歩いてる
ふたりの後ろから
探偵のように、尾行している僕。
しばらく、歩いていくうちに
ん?この方向は……
翔ちゃんち?
まさか、翔ちゃんちに向かってんの?
……………………!
あそこの角を曲がる……
やっぱ、翔ちゃんちじゃん!!
そぉっと、コンクリート越しに
覗くと、ちょっと躊躇いがちに
翔ちゃんちの、門から入っていく
かずくんの横顔がチラリと
見えた。
自宅……って……
気になる!気になる!気になる!
モヤモヤ、ざわざわする
気持ちを抑えるように、
僕は、バッグからペットボトルを
取り出して、余ってた
ミネラルウォーターをグイッと
全部、飲み干した。
