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僕のまーくん。

第33章 勘違い?


 

布団を深く被って、思いっきり目を
閉じた。



キーンコーンカーンコーン♪


四時間目の終わりのチャイムが
廊下側で響いているのが聞こえた。

 
しばらくして、バタバタと人の歩く音や
喋る声がしてきた。


……。


お昼の時間か。
どうしよう。

身体が重いし、まだここにいたい。


……もうちょっといよう。


なんて、考えてたらバタバタと
廊下側から走ってくる足音が耳に入ってきた。


ガラガラガラ……


 
「かぁずく~ん……居る?」


小さい遠慮がちな声が聞こえた。


まーくん!


N「まーくん……ケホッケホッ……」

A「かずくん~大丈夫?ちょっと寝れた?
 心配で、心配でさぁ~」

N「まーくん……ケホッあのさ、出ていく時
 マスク付けてくれた?ケホッ……」

A「え?マスク?
 うん、付けて行ったよ?なんで?」

N「……」


A「どした?」

N「……ううん」

A「大丈夫?顔赤いねぇ……まだきついねぇ」

N「……」

A「お弁当食べれる?」

N「……」

A「かずくん?熱あるから食欲ないかぁ」


僕が返事をしないのを、熱があるから
ボーッとしてると多分まーくんは
思っているんだろう。

……マスク

まーくんは、ちゃんと付けて行って
くれたんだ。


……寝てる時外れただけ?
 

でも……


外れただけのマスクが、掛け布団の上に
乗ってたなんて事……ある?


誰かが。


外して、そこに置いたんじゃないの?



……やだっ!



気持ち悪っ……



目の前のまーくんが心配そうに


A「かずくん?大丈夫?」


上から覗きこんできた。


N「……まーくんさ、僕あれから
 すぐに寝た?」

まーくんに聞いた。

A「うん。すぐに、寝付いちゃったよ。
 僕もずっとかずくんに付き添ってあげたかった
 んだけどさ……次の授業うるさい先生だった
 から……教室すぐ帰ったの」


N「そっか……」


A「ごめんね?かずくん……起きたら
 一人だったの寂しかった?」


まるで、親が子どもに言うみたいに
甘やかすまーくんに、


N「……ちょっとね」


って答えて。

頭の中では、外れていたマスクの事と
夢か、現実の事だったのか分からない
さっきの事に酷く動揺していた。






 



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