僕のまーくん。
第7章 まーくんの部屋で
なんて、自分に都合のいいように言い聞かせてるだけなのかな……
ふと、まーくんの勉強机に目をやると、昔の懐かしい僕とまーくんの写真が、写真立てに入れられていた。
小学生のときの、あの日の写真だ。
まーくん。大事に飾ってくれてるんだ。
すごく、嬉しいよ……
クラスの友達にイジメを受けてた日々。
僕は、面倒だし、イジメをしてくる奴等に何にも言い返さないでいた。
日々、イジメがひどくなっていった頃。
六年生だったまーくんが、僕の五年生の教室にひとり。乗り込んできてくれた。
「おい❗僕の大事なかずくんをいじめてる奴はどいつらだ❗前に出て来いっ」
シーン
クラスの男子も女子も、上級生のまーくんの迫力に圧されて静まり返った。
まーくんは、僕の肩をグッと掴んで、こう言ったんだ。
「誰だか検討はついてんだよ!かずくんに今後一切くだらねー嫌がらせなんかしてみろ!」
「僕が絶対許さねぇからなっ❗」
って。
いつもは、穏やかで怒鳴るようなことはしないまーくん。あんなまーくんは、アレ以来見てない。
それから、僕に対するイジメや嫌がらせはピタリと止まった。
その日の夕方に、まーくんちに行ったらまーくんは僕に
「かずくんさ、我慢強いから、ずっと我慢してたんでしょ?頑張ったね。……でも、僕が見てられなかったんだよ!勝手なことして、ごめんね。恥ずかしかったんじゃない?大丈夫?」
って。
まーくんは、本当に本当に優しいお兄ちゃんみたいな存在だったんだ。
僕を守ってくれたんだ。いっつも、そうやって。
「ううん。まーくんにあんな風に言ってもらえて嬉しかった。ありがとう」
「かずくんが悲しそうな顔してるのは、見たくない!この先もずっと僕がかずくんの側にいるし!何でも言ってね!」
ニカッ❗
っと、お兄ちゃんな顔して笑った、まーくん。
「ねぇ、かずくんこれで写真撮ろう❗」
って。ふたり。
「はいっ!笑って、いぇ~い❗」
って。自撮りで撮ったのがこの写真。
今では、大事な僕の想い出のエピソードの一つなんだ。
もちろん、僕もこの時の写真は写真立てにちゃんと入れて引き出しに大事に閉まってあるよ。
まーくんは、飾ってくれてたんだね。