
僕のまーくん。
第34章 本当に誰なの?
綾「……」
……えっとぉ、
あのぉ、スルーですか?
何にも返さない綾野くんに、
僕もどうしたものかと
N「あっ、なんか急にごめんね。
ちょっと気になったから。」
何故か焦って上手く話せない。
じゃあ、って感じで自分の席に
行こうと綾野くんから、目を逸らした時。
綾「気になったって……どんな風にですか?」
また、綾野くんが低い小声で
話し掛けてくるから、思わず
N「えっ?」
って聞き返してしまった。
綾「……何が気になったんですか?」
あっ、そっか。
気になったなんて言われてもね……
話もろくにした事ない奴に言われても
ワケわからないよね。
僕は、又綾野くんの右側に立って
言った。
N「あ~えっとぉ……僕も熱があって
寝てたんだけど、なんか誰か出て行った
ような気がして。
その後潤くんが、綾野くんが
怪我の手当てに保健室行ったって教えて
くれたからさ……
それが綾野くんだった
のかなぁ……なんて……だから、うん」
なんか、自分が気になってる事を
本人目の前にして言うのって、こんなに
緊張しちゃうのかな……
それとも、綾野くんの纏う雰囲気のせい?
言っちゃいけない事を言ってしまった
気にさせられるのは、どうしてだろう……
チラリとまた、僕を見上げる綾野くん。
綾「……起きてたんですか?」
綾野くんが、そう聞いてきたから
僕も素直に
N「起きてたっていうか……寝てたって
いうか……分かんないけど……」
曖昧な返事をしちゃって。
僕も綾野くんをチラリと見た。
そしたら、
綾「僕は先生がいなかったから、
自分で適当に手当てして、すぐ
出ましたよ?」
と、綾野くんが言った。
