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僕のまーくん。

第34章 本当に誰なの?




N「あっ、そっ、そうなんだ……うん。
 なんか、ごめんね。急に……」


あ~やっぱ聞かなきゃ良かったなぁ

綾野くん、気悪くしちゃったかなぁ…


綾「……」


もう一度自分の席に行こうとしかけた時


綾「この前の先輩達……仲いいんですか?」


急に又聞かれて


N「えっ?」


三度めの「えっ?」を返す僕。

はっ?

何て言った?

先輩?この前の?仲いいんですか?


……って。


まーくん達の事?

自分の机に鞄を置きながら綾野くんに

N「先輩達?」

綾「……はい。この前来てた先輩方……」

N「あぁ、うん!幼なじみなのよ」



綾「…………そうですか」

N「……?うん……」


……なんだろう?

今の間みたいなの。

ってか、なんでそんな事聞かれるんだろ?

不思議に思ってたら、綾野くんが


綾「……二人とも有名人ですよね」

って。

ボソッと一言、言った。

N「有名人?」

僕も聞き返してクスクス笑って
しまった。

そんな僕の様子を、また下から伺うように
長い前髪の隙間から見る綾野くん。


綾「この学校で知らない人いないくらい
 なんじゃないですか?」



だって。

聞いた?

そんなにやっぱ、有名人なんだ。

櫻井先輩は、勿論。

まーくんもそのくらい目立ってんの?

考えたら、ついにやけちゃう口元を
押さえながら、また、ついクスクス笑って
しまった。


あれは、僕のまーくん。だから。

本当は、学校中のみんなに言いふらしたい
気分なんだけどさ!

我慢。我慢。

目の前にいる、この綾野くんにも
このまま言いたい気分だった。

……色んな人に

宣言出来たらなぁ

あの、優しくてイケメンで
バスケ部のエースの彼は
「僕の大事な恋人です」

なんてね。

フフフッ



綾「……仲いいんですね」


ん?


えっ?


あっ、あぁ。


クスクス笑ってる僕に綾野くんが
そう言って我に返って。

ちょっと恥ずかしくなった。


N「まーくんとは付き合い長いから」


これだけ言って、僕も席に座った。

後ろ姿の綾野くんに、

余計なお世話かと思ったけど

N「まーくんすごい、いい人なんだよ?
 あっ!櫻井先輩も。良かったら今度
 紹介するね?」


なんて、勝手に動く口が約束とも
とれないような事を言っていた。

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