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僕のまーくん。

第37章 かずくんがヤバい!?



数秒だった。


廊下のずっと先にいる綾野くんは。
明らかに、振り返って僕を見ていた。


でも、くるっと振り返って表情一つ
変えずに綾野くんはまた、向こう側に
歩いて角を曲がって消えてった。


………………。


 
やっぱり、まーくんの言ってるとおりなの?


色んな出来事。
あれは、綾野くんなの?


……なんで?
理由が分からない。


ただのクラスメートだし。
第一、二学期になってさ。
あの席で前後の席になる前は
存在すら、僕は知らなかったのよ?


それは、多分、綾野くんもそうだと
思う。
僕の事なんか知りもしなかったはず。
40人いる中の一人。


今のはさ。
完全に意図的に、僕を向こう側から
見てたよね?


……なんか恨まれるような事したっけ?


そんな、絡んでもいないと思うし。
本当に綾野くんなら、理由が全く分からない。


家にまでついてくる理由も。
ましてや、あんな気持ち悪い手紙。
嫌がらせとしか思えない。
アレを。
本当にあの人がやったんだろうか?


それにさ。
ストーカーされるような覚えが
僕には全くないから。


あと。

保健室での、あのボヤけた意識の中での
出来事……ね。


あれも、やっぱり綾野くんなの?


……。


それこそ、理由が分からない。

寝てる僕にキスなんかする理由。


……。


なんか、朝からちょっと……
ね?


益々、憂鬱。


これから、自分の教室に向かう足取りが
さっき、まーくんと登校してる時よりも
何だか、重く感じる。

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