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僕のまーくん。

第2章 幼なじみかずくん

Aside


「まーくん、どこ?まーくん?」


「まーくん」


僕を呼ぶ声がする。幼い頃からずっと聞きなれた少し甘えたな可愛い声。


‥……ピピピッ‥……

「うっ、うーん」

「かずくん‥……」

夢か。

最近、やたら夢に出てくるかずくん。小さい頃は、お互いのうちを行き来してお泊まりして、一緒にお風呂入って、ご飯食べて、おんなじベッドで寝たりしたよね。

幼なじみのかずくんは、そりゃあ、小さい頃から肌が透き通るようなキレイな色白で、顔も女の子より可愛くて華奢で‥……。

僕の唯一の大事な大事な1つ下の幼なじみ。


中学卒業して、かずくんが僕と同じ高校に通える事を聞いた時は、すごく嬉しかった。昔から少し人見知りなかずくんが、楽しく高校に通えるように僕は保護者になったかのように、毎日かずくんを迎えに行く事が日課になった。

それに、僕と一緒の真新しい高校の制服に身を包んだ可愛らしいかずくんを、朝迎えに行くのは僕の楽しみの1つだったんだ。

「まーくん、おはよ。」

少し僕の目線の下にいるかずくんは、ちょっと上目遣いで‥……‥……今日も変わらず可愛い。

ってか、本当にそこら辺の女の子よりも可愛い。


可愛いかずくんに、僕は保護者の気持ちとはまた、別な感情を抱く自分に本当は、ずっと前から気づいていた。


‥……‥……なぁ~んて。

そんな僕の心の中の想いは誰にも言えないんだ。


だから、いつもどおり、普通に普通に幼なじみの1つ年上のまーくんとして迎えに行くんだ。

だって、そんなこと言えるわけないよ。


かずくん‥……‥……。


隣に並んで歩いてるかずくんを、チラッと盗み見る。やっぱ可愛い~~。


そんな僕の心の声は聞こえるはずないから、僕だけの中で呟く。


ヤバイかな~。

所詮、かずくんにとっては僕は優しい幼なじみのお兄ちゃん。


ってか、その前に男同士‥……。

かずくんと、どうかなりたいなんて‥……夢にも思っちゃいけないんだ。


‥……ってか、今朝もかずくんの夢見た僕はやっぱり、どうしようもなくかずくんが気になってるんだろうなぁ‥……


はぁ‥……‥……。


なんて、ボヤ~ッと考えながらかずくんに、

部活の話なんかをふっかけてみた。

バスケ部の僕は、かずくんに入ってもらいたかったんだけどなぁ‥……‥……


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