
僕のまーくん。
第38章 綾野くん
学校行くの楽しみ……
なんて思っていたのが昨日のこと。
昨日の今日で、まさかこの後、あんな事になるなんて俺の中では全くの予想外だったから。
朝、廊下で今来たばかりであろう、
二宮くんとすれ違った。
まだ、顔は眠そうでちょっとはねてる髪が可愛いな……なんて、すれ違う時にチラリと前髪の間から覗き見た。
今日も相葉先輩と一緒に来たんだろうな。
……二宮くん。
でも、教室以外の所で挨拶なんかする余裕の
よの字もない俺は何にも気付かないふりして
シレっとすれ違った。
でもね。
昨日、話しかけてくれて俺、本当に
嬉しかったんです。
廊下の一番端まで行った時、何気なく
後ろを振り返って二宮くんの姿をもう一度
確認しようとしたら……
えっ?
うそ!?
向こうも、こっちを見て……る。
遠目から、細身の学ランに身を包んだシルエットが。
何故か、こちらを見ていて数秒目が合った。
えっ?えっ?なんで?
……あっ!?もしかして今度こそ、後つけてたのが
……本当にバレたのかな?
思わず、踵を返して二宮くんとは又逆方向に
角を曲がって姿を隠した俺。
……心臓がバクバクいっていた。
二宮くん、俺と目が合った事。
……もちろん気付いた……よね?
