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僕のまーくん。

第38章 綾野くん




「二宮くん、先輩と応援団も一緒ですよね?」


話し出したら、なんだかもう止まらなくなって。
黙ってる二宮くんに次から次へと、
勝手にしゃべる俺。



「俺、それも楽しみなんです……本当に……
 先輩、カッコいい…………」

じっとこっちを見てる二宮くんと
目が合ってる。
俺は、二宮くんに伝える事が出来て心から
満足していたんだ。



「あー!いつ話しかけよう……でも、本当に
 あの先輩と仲のいい二宮くんに本当の事
 話せてスッキリしました……ありがとう……」


……お礼まで、お伝えしてしまった。
そんな、俺に二宮くんは、真顔で
こう言った。



N「……まーくん彼女いるよ?」



って。
じっと向こうから見てる二宮くん。


……「彼女」


いるんですね?
やっぱり。
ずっと相葉先輩、つけててそんな人いるような
感じには見えなかったけど。
だって、いっつも隣には二宮くんいたし。



……まぁ、でも分かります。
あんだけ、素敵な人だし。
学校でも、有名人なんだから。



「……全然いいです。あんな素敵な人だから
 いるって事は想定内です……」




キーンコーンカーンコーン♪♪♪


急に昼休みの終わりを告げるチャイムが
音楽室に響き渡った。


それよりも、俺は


「二宮くん、あなたが相手じゃなくて良かった
 です…………先輩の彼女があなただったら、
 絶対……無理だったろうから……」


二宮くん。
あなたは、相葉先輩の恋人ではないと
言った。
あんだけ、二人の空気が違うように
俺には見えたのに、本人から否定の
言葉が聞けたから……


二宮くんを見て笑いかけたけど、また
そこで何故か目を逸らされちゃった。


でも、


あなたみたいな、可愛いらしい人が
相葉先輩の恋人じゃなくて良かった。


俺も、もうちょっと相葉先輩……
想っててもいいですよね?


「じゃあ」


俺は小さく呟いて、音楽室を後にした。


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