
僕のまーくん。
第39章 オープンな三角関係
N side
僕は、今。
音楽室から、お弁当箱を両腕に包むように
持ちながら、フラフラと廊下に出て歩いている。
行き交う生徒達の笑い声や、話し声も
なんだか遠く聞こえる。
頭の中は、今話していた内容がぐるぐる
回っている。
…………。
なんか、疲れちゃったな。
はぁーとため息をつきながら
ぽてぽてと廊下を歩いていく。
その時、後ろから聞き慣れた大好きな
声に名前を呼ばれて、ハッとした。
A「かずくんっ!」
振り返ったら、廊下の先に
弾けるような笑顔のまーくんが
高く腕を持ち上げて、ブンブン振ってるのが
見えた。
N「まーくん!」
あのキラキラの笑顔につられて、僕も
思わず笑顔が漏れた。
あー、会いたかったぁ
このタイミングで、まーくんに会える
なんて運命だな……なんて、頭の中で
くさい事を考える。
こっちに、走り寄ってくるまーくんに
ちょっとドキドキする。
……あいつ、見てないよな?
なんて。
さっきの衝撃の綾野くんからの
告白が頭を過った。
キョロキョロと周りを見回したけど、
気配はなく、ちょっとホッとする僕。
そんな、僕の想いを知らないまーくんは
A「かずくんっ!こんな所で何やってんの?」
ニコニコして聞いてくる。
