
僕のまーくん。
第42章 綾野くんpart3学校編
とにかく、落ち着け!
俺、落ち着くんだぁぁ……
右隣をチラッと見ると、二宮くんが当然いる。
はわぁ
「同じグループ」……かぁ
ふと、右斜め前に座ってる人から
視線を感じチラッと見たら、松本くんが
こちらをなんだか、じぃっと見ていた。
…………。
な、何ですかね?
目が合ったと思ったらスッと逸らされた。
「終わったら各グループ発表なぁ~」
先生の声がまた響く。
二学期は、2年生は来月体育祭のあと修学旅行も
控えている。
1年生は今月後半に、色んな場所へ
それぞれがグループを組んで、体験実習へ
行くというスケジュールだ。
……すっかり忘れてた。
俺が小学生の頃から最も嫌いだった
グループを組まされての行動。
嫌いっていうか、苦手……
なんですよね。
まぁ嫌いと、一緒か……
特に仲のいい人もいなかった俺は、
いつでもどこでも一人だったし。
それが当たり前だったし。
いい思い出なんか、何一つなかった。
……今回はここにいる俺を含めての五人での
行動、になるのかぁ。
なんか、みんなイキイキしてる人ばっかの
集まり……って感じですよね。
はぁ……憂鬱、です。
俺……なんだかいつもより緊張して
顔がひきつっちゃいます。
J「どこにする?」
松本くんがみんなに聞いてきた。
隣の石川さんが、
「このお店は?さとみ、ここいいと思う♪」
そう言って、両手に顎を乗せて
ニコニコしている。
斜め前に机をくっ付けてきた丸山くんは
「こっちの水族館とかいいんちゃう?」
なんて言っている。
それぞれが意見を出し合う姿を
黙ってみているだけの俺。
……は、入ってけないです
なんて心の中で思ってたら右隣から
俺を覗き込むように二宮くんが
N「……綾野くんも苦手?フフフ」
って柔らかい笑顔が向けられた。
うわぁっ……か、可愛いなぁ。
二宮くん……
この位置から横をパッと見ると
窓から差し込む光に、その綺麗な黒髪と
薄茶色い潤んだ瞳が俺を真っ直ぐに見ていて……
あ、相葉先輩!!
あなた様の彼女さんは、本っ当に
可愛くて、お優しい方ですね……
こ、こんな俺には、話しかけてくれて……
「あっ……あ、まぁ…はい…」
それなのに、そんな言葉しか出ない俺。
はぁぁ……
