僕のまーくん。
第2章 幼なじみかずくん
って答えると、かずくんは、唇をムゥって噛み締めてなんだかちょっと不機嫌そうな(?)感じでこう言った。
「僕にも紹介してよ。まーくん」
ちょっと人見知りなかずくんが、いきなりそういうもんだから、僕もちょっと焦って
「う、うん。中入んなよ。」
ってクラスのなかにかずくんを誘って、手を引っ張った。
なんだか、さっきよりも真っ赤になってるかずくんは、下を向きながらトテトテついてきた。
すかさず、翔ちゃんがまだ翔子ちゃんのまんま、かずくんに
「一年生?お名前は❤~?」
ブリブリな感じで聞いた。
上目遣いなウルウル目で、僕にまだ手を握られたまんまのかずくんは、小さな声で
「はじめまして‥……一年の二宮和也‥……です。まーくんとは、小さい頃からの幼なじみです‥……」
って答えた。
僕の手をギュっと強く握るかずくんは、ちょっと震えた小さいワンコにみえた。
『可~~愛い~~❤』
その、僕の想いに被せるように、横から
「可~~愛い~~~~ん❤」
はっ?
今の僕の心の声が、漏れたかと思ったけど、言ったのは翔子ちゃんだった(笑)
少し、ビクッとなったかずくんが握られた手から伝わってきた。
「ちょっ、ちょっと翔ちゃん、やめてよ。かずくん一年生なんだから。変なこと言わないで❗」
僕は、翔ちゃんに慌てて言った。
だって、かずくん震えてるし。まだ、真っ赤なまんまだし。
翔ちゃんは、そんな僕の言うことなんかお構いなしに、なおも続けた。
「だって、マジで可愛い顔してるし!二宮くん?マジでヤバイ!っつか、まーくんって雅紀の事だよな?ヤバイ!可愛すぎ!二宮くん、いつも雅紀に、弄られてんじゃないかぁ❤?」
な~んて、僕にとっては爆弾発言的な事をしゃあしゃあと言ってのけた。
「かずくん、ごめんね!変な事、この人言って!ふざけてるだけだからね。優しい先輩なんだよ?」
ちょっと、屈んでかずくんの可愛いお顔を覗き込んでみた。
‥……‥……‥……。
あっ、あの‥……‥……かずくん‥……‥……‥……。怒って‥……ますか?
ヤバイ!って僕は瞬時に思った瞬間。
かずくんの手をグイッと、そのまま引っ張って、教室をでて廊下をグングン歩いて行った。
かずくんは、引っ張っられるがまま僕に着いてきてくれた。