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僕のまーくん。

第45章 ドキドキの体育祭




「いや……あの本当に大丈夫です。僕は……」



綾野くんは、そう言ってまた俯いたかと思ったら
急に頭をバッと上げて


「二宮くん、次応援合戦ですよね!?
 ……は、早く行ってください。
僕なんかに構っていて
遅れちゃったら大変ですから!」


と、グイッと手を掴んで離された。


N「ねぇ、本当に大丈夫?」


綾野くんは、見るからに必死に普通にしようと
振る舞って見える。
応援合戦の準備ももちろん急がなきゃだけど、
こんなになってる友達をほっとけなかった。


N「綾野くん?」


もう一度綾野くんの顔を覗きこんだ。


「ぼ……っ、僕がこんなんだからっ……」


綾野くんが話し出した言葉に

「ん?」

と耳を傾ける。

泣き顔の綾野くんは、そのまま、また


「何でもないです!行ってください!二宮くん!」



僕の後ろ側にするっと回った綾野くんに
両手でトンっと肩を押された。



N「何でもないって、顔してないじゃん……」



振り返ってみたらもう、それ以上は話そうとせずに
無理矢理、顔を作って僕に


「ご、午後も応援団頑張ってくださいねっ」


と更に肩を押してそう言った。




N「……本当に大丈夫?」



気になりながらも、僕は




N「じゃあ……またあとでね」




と、綾野くんに告げてその場を離れた。




……一体、どうしたんだろう。



泣き顔だった綾野くんが、気になりながらも
僕は次の応援合戦のためとりあえず急いだ。





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