君はぼくの全て
第10章 特別授業 4
怖い夢……
どんな夢見たかなんか少しも覚えてない
怖かったかどうかも分からない
でも
ずーっとまーくんの事だけ考えてた
寝てようと何だろうと、俺の頭の中にはまーくんしかいない
いつも俺に向けられる笑顔を今日は見られなくて寂しくて
そしてその原因が少なからず俺だって言うのも悲しくて
「あー…そう言えば、松本が1回様子見に来たぞ」
ー…ぞくり
あれ、何でだか嫌な予感
「でね、聞いちゃった」
先生の口元が楽しそうに歪む
「な…何を、でしょう」
聞かなくても想像は付くけどな!
この先生なら色んな意味で生徒の味方だし
そもそもこう言う事に口の軽い奴が、まーくんとの事を黙ってるとは思えない
「相葉、君の彼氏なんだって?」
「はい」
これは即答案件。迷う必要なんかない
「んで、えっちしたと」
「………」
はぁぁ…
やっぱりか。さっきのぞくりの意味はやっぱりこれだよ
もしかしたら、なんかちょっとでも考えた俺がバカだった