君はぼくの全て
第10章 特別授業 4
「あれは…、前に言ったけど、かずは悪くない」
「うん、知らなかったのはお互いさまだとは思ってる。…でもね」
隣から一歩前に出て、まーくんの目の前に移動して
「痛い事しちゃったのは俺だから」
そう告げてから、気が付いた
あれ?
でもあのままだと、俺も痛い思い(多分)するんだよね?
だってあんなとこにまーくんのアレ、挿れちゃうんでしょ?
「んー?」
「かず?」
ああでも
今はそんなのどうでもいいや
だって
ちゅーはいっぱいしたし、気持ち良くもして貰っちゃったのは事実だし
それに蹴っ飛ばすのよりも、きっとこの先俺が感じる痛みは甘いような気がするし
「どしたの、かず」
急に黙った俺をまーくんが不思議そうに見た
「あ、かず」
「なぁに?」
「俺、ちゃんと調べるから!…かずと、…その、したいから」
赤い顔のまーくんからの宣言の意味にすぐに気が付いて
でも俺も恥ずかしいけど嬉しくて
「まーくん!」
ここが学校の廊下だと言うのをすっかり忘れて、返事の代わりにまーくんの胸に飛び込んだ