君はぼくの全て
第2章 2時間目
「…嘘つき」
今日の俺は不機嫌MAX
朝の超ワクワクした時間が憎らしい
つか、今すぐ浮かれたあの時の俺を返せ
「まぁまぁ、かず…もうプリプリしないの」
まるで子どもをあやすように頭をポンポンするまーくんに、思わずへらっとしたくなるのを頑張って堪えた俺エライ
だって!
すごーく楽しみにしてたんだもん
まーくんの更にカッコいいとこ、見られると思ってたんだからね?
「…だからさー、絶対とは言ってないだろ」
智が困ったように眉を下げるけど、そんなの知らない
「補欠に選ばれただけ、充分だよ」
なんてまーくんは言ってるけど
智に言われたあの後から、それ以上に1人で練習してたじゃないか
その姿を見てたからこそ、悔しいんだよ
見る目のない、あのゴリラみたいな部長に呪いを掛けたくもなるし
へんな期待を持たせた智に腹が立つんだ
「かーず、大ちゃんは悪くないよ」
分かってる
智は何も悪くないのは分かってる