君はぼくの全て
第13章 補習 3
「んー、何かさ。かずが落ち込むの見てたら離れたくないなって思って」
ぽん、とまーくんの大きな手が頭に乗せられた
「え…」
「だってさ、補欠の試合でさえ見に来てくれるかずが、試合を見れないくらい凹んでるのを、俺がほっとけると思う?」
「思わない」
そこは即答
まーくんだから
優しいまーくんの事だから、そんなの思う訳ないって断言出来る
頭の上の手に、自分のそれを重ねると、まーくんがにこっと笑ってくれた
「ね。だから今日は、…明日まで傍にいるからね」
「あ、でも…」
「ん?」
「着替え、取りに行かなきゃ」
今、あんまり母さんと顔合わせたくないけど
「俺の、貸すよ」
「ほえっ?」
そ、それは所謂彼シャツみたいな奴…?
ヤバい、嬉しい
忘れたフリして借りた学校のジャージより、何万倍も嬉しい
いやでも
服はそれで良いとしても
「ぱんつ…」
「え?」
「ぱんつ、ない」
…さすがにこればかりはまーくんに借りる訳には行かないよぉ