君はぼくの全て
第1章 1時間目
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HRが終わったと同時に、急いで鞄に教科書を突っ込んだ
早くしまわなきゃ、練習が始まっちゃう
「飽きないねぇ」
隣の席の潤くんが笑ってそれを見ている
「当たり前」
「そんなに好き?」
「うん!」
何言ってんの
そんなの決まってるじゃん
だってカッコいいんだよ?
シュッ、てシュートを決めるフォームなんか、何度見たって惚れ惚れしちゃうんだからな
「邪魔しないで。急いでるんだから」
それでなくたってうちの担任、話が無駄に長いんだから
「はいはい。行ってら」
「じゃあね!」
元々引き留めるつもりじゃないからあっさりと手を振る潤くんに
おざなり程度に手を振り返しながら教室を飛び出した
「こらっ!廊下は走「ごめんなさい!」」
すれ違う先生の小言に被せるように謝って、ひたすら走る
向かうのは、体育館
放課後の俺の日課でもある、これがなければ1日は終わらない
階段を転げ落ちないように、だけど急いで駆け降りて
体育館に繋がる外廊下の処でその背中を見つけた