
君はぼくの全て
第5章 5時間目
「なんかさ」
潤くんの視線が和らいでホッとしたのも束の間
「完全にお前らがくっつくと、4人でつるむのとか出来なくなるのかと思っちゃったんだわ」
「え」
「だってさ、こうやって出掛けんのも2人がいい、とかなりそうじゃん」
…なんて、らしくない弱気な言葉とか
上がったり下がったり忙しい奴だなーと思ったけど
そこはほら、俺は優しいから言わないで置いてあげよう
「まあ、俺はまーくんがいれば」
それに智も潤くんも友達だけど、大事の優先枠が違う
「…ぶれねーな、マジで」
「おかげさまで」
くふふ、と笑ってみせた俺に、潤くんもつられて笑う
「別れるとか、なしな」
不吉な事言うな、バカ
絶対ぜーったい有り得ないから
「ご心配なく」
「はいはい。これでもね、幼なじみのお前の事心配してやってんだからな」
「…うん」
何だろうね、この良い人振り
智と言い、潤くんと言い、泣きそうになるわ
泣かないけど
