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千年の花嫁

第19章 愛する人へ

藤「凄く、いい笑顔だった」

ニ「ガヤ」

横「戦いは悲惨だった幾人もの仲間が息絶えていき」



その中で…



子「お母さん、お父さーん、ふっ、ふぇーん」



背後から迫る妖狼、それに気づいた玉森は。



玉「ふざけんなぁ、こんな小さな子にまで手を出すんじゃねぇ」



ダダダッ、グサッ!



妖狼「ぐあっ、あ…」

玉「逃げろ、チビ」

子「ふえっ、グスン」

玉「早く!」



ガブッ!



玉「つあっ…あ」

妖狼「道…連れっ‥て…手も‥あるんだ…ぜ、ニヤリ」

玉「なに…を‥クッ」



眼に入ったのは爆弾。



藤「はっ、タマ」

横「よせ裕太!」



それから、助けに駆け寄ろうとする2人を眼で制し。



玉「ふっ…バイバイ‥わた…ガヤ‥ニコッ」



ダダダッ!



藤「タマあぁーっ」

横「裕太あぁーっ」



ドッカーン!

そいつを連れ爆弾ごと飛び込んだのが、妖狼が数多くいた場所だったという。



横「先に五関がリーダー格の妖狼をやっつけてしまったこともあり」



瞬く間に、奴らは戦力を失い散々バラバラに逃げて行ったんだ。



橋「爆発…しちゃったの」

戸「ハッシー」

橋「裕太の身体、ヒクッ」



それって、つまり。



宮「いる…タマは‥いる」

千「宮田、動いちゃダメだって」

宮「俺と一緒に…約束したんだ‥ずっと、ずーっと」

千「宮っち、ギュッ」

戸「宮田、クッ」



意を決したかのような宮田の瞳を俺は忘れない、その数時間後だった。

あいつが忽然と姿を消してしまったのは…




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