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俺は彼を愛してる

第2章 sort out

お袋はよく
オヤジに殴られてた

お袋に心配かけないように
金もかけないように
学業は最優秀でこなした

時間があれば
ホストのバイトもした

効率が良かったから
性別問わず枕営業もした

お袋は稼いだ方法も聞かずに
喜んで金を受け取ってくれた

暴力が何よりも嫌いだから
俺はムキムキでテカテカの
カブトムシになって
周りを牽制した

実はゴキブリなのか?
なんて考えないようにする

嬉しかったことは
オヤジがやっと
出て行ってくれた事
新しいオヤジと
妹が出来た事

妹は何よりも可愛かった
何をしたって可愛かった
お袋が
この世に居なくなったから
今度は妹の為に
何でもする事にした

とにかく 翼希が幸せなら
後は何でもイイと思う



週末の昼は
昔のホスト仲間が
呼んでもいないのに
昼飯を食いに来る

買い出しを終えて
店に帰ると

この当たりには
似つかわしくない
小綺麗な男を見つけた

たしか昨日の客だ
忘れもんでもしたかな?

「花ちゃん?だっけ?」

「え?!あっ!ヤダァ~」

声をかけたら
見つかった小動物の様に
逃げ惑う花ちゃんを
つまんで 店に連れて入った

昨日
ツーの機嫌が良かった理由は
花ちゃんか 鈴夏ちゃんの
お陰だと思った


 

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