オキナグサ
第5章 お付き合い
「お待たせいたしました。カルボナーラのセットと、たらこパスタのセットになります。伝票こちらに置かせて頂きます。ごゆっくりどうぞ」
アホな会話をしてたらすぐにパスタが来て、早速食べ始める
「そういえば、聖くんは洋食派? 和食派?」
「俺は……」
どうだろ
考えたことなかったかも
「両方同じぐらい食べるかな。こういうこってりしたチーズとかクリームとかも好きだし、出汁茶漬けの専門店みたいなところもわざわざ行ったりするし」
「出汁茶漬け専門店?」
そんなのがあるのか、って心の声が聞こえてくる
あそこはいいよ
全種類制覇したくなる
「そう、最近面白い店多いからね。興味あるなら今度行こう」
「ある。案内してくれ」
「うん」
こうやってホイホイ次のデートの約束とかされちゃうと、俺としては複雑だな
証明のためって付き合ってもらってるだけなのに、普通に付き合ってるみたい
付き合ってるって錯覚したらもっと縛り付けたくなるから、あんまり深入りしたくないのに
「ありがとうございました。またお越しくださいませ」
「はー、美味しかった」
「いいのか? 俺がご馳走してもらって」