オキナグサ
第5章 お付き合い
朝陽さんが選んだのは駅ビルにあるパスタ屋さんだった
「和食より洋食派なの?」
「自分で作る料理に和食が多いせいで、外では洋食が食べたくなるんだ」
「へぇ、自炊してるんだ。偉いね」
店に入ってやってきた店員さんに2人って伝えて、席に案内してもらう
「俺カルボナーラのランチセットにする。飲み物はアイスティーで」
「じゃあ俺はこれのセット。アイスコーヒーで」
朝陽さんが選んだのって
たらこパスタ
シソとか乗ってるけど、純粋な洋食とは言えなくない?
なんか面白いな
「聖くんは自炊しないのか?」
「うん。しようかなって思ったこともあるんだけど、才能がないんだよね。なんかこう、得体の知れないものが出来るっていうか」
「なんだそれ」
笑われた
酷いなぁ
「今度作ってみてくれよ」
「やだよ。今馬鹿にされたばっかりで作る気起きるわけないでしょ」
何を馬鹿なことを言ってるんだ
拗ねた口調で返すと、余計に笑われた
「絶対にちゃんと食べきるから」
「食べ切ったりしたら体調崩すから」
経験者だしね、俺
食材が勿体無いとか、そんなレベルじゃない
食べられないもんは食べられない