オキナグサ
第5章 お付き合い
「あぁ、連れがいたのか。気づかなかった、悪い」
ほら、こういう
しらばっくれた反応
「ってまた、若いの連れてるな。初めまして」
俺、今後この人がどんなにいい人になっても、好きになれない
「初めまして、美穂川です」
「聖くん、この人は俺の同級生だった……」
なんで朝陽さんそんな気まずそうな顔してるんだろう
「岩橋大地(イワハシダイチ)です」
「小学校からの同級生なんだ。最近、会ってなかったけど」
会ってなかった、を強調するのはなんでだろう
俺に対してなのか、岩橋さんに対してなのか
「会ってなかったんじゃなくて、会えなかったんだろ? お前が誘うたびに忙しい忙しいって言ってさ!」
朝陽さんの横に並んで肩を抱き寄せた岩橋さんに、心がざわつく
「寂しかったよーお前と会えなくて」
「嘘つくな。お前だって暇な訳ないんだから、会ってなかったのは俺ばっかりのせいじゃないだろ」
「そうだけど、予定合わせようともしてくれなかったじゃないか」
なんか俺
本当はここにいないんじゃないかって思うぐらい、影の薄い存在だな
愛想笑いも、浮かべる元気ないや
「それは……っ」