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オキナグサ

第5章 お付き合い


でもなんで、朝陽さんはこんな嫌そうなっていうか、気まずそうな顔してるんだろ

まぁいいや

とにかく俺がもう限界だから


「話してるところ悪いんですけど、朝陽さんそろそろ行こう?」


俺が話しかけた瞬間
岩橋さん俺のこと睨んだな

ほんの一瞬だったけど


「あ、なに? この後も予定あったのか。引き止めて悪かった。つーかやべ、俺も恋人と待ち合わせしてるんだった」
「お前……こんなところで油売ってる場合じゃないじゃないか」
「忘れてたんだって」


嘘つけ

今腕時計見て見せつけるみたいに驚いた顔したくせに


「じゃあな、朝陽? また今度」
「……っおま……!!」


別れ際、岩橋さんが聖さんのお尻を軽く揉んだ

男同士ならじゃれてやる程度の普通のスキンシップだとは思う

けど

腹立つことには変わりないよね


「怒んなって〜。美穂川くんもまたな」
「……さようなら」


去って行く背中を見つめていると、少し離れた先のところで恋人を待たせていたらしい


「お待たせ〜ごめん遅くなって」
「もー岩橋さん! すっごい待った!」
「ごめんごめん」


あれ

恋人って言ってた人
男じゃない?

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