オキナグサ
第5章 お付き合い
なのになんで、付き合ってくれるどころか昔の友人との仲を困ったと感じるぐらい
俺とまだ付き合いたいって言ってくれるんだろう
今までの人と違いすぎて
わかんない
「……楽しかったんだ。君と、付き合っているのが」
「は?」
「電話やメールが1日何度も来て、学生らしい調べ物してるなとか、今日のご飯は外食かとか考えて」
なにそれ
結構、俺が入れたアプリ使ってたってこと?
俺の居場所やら、スマホでなに調べてたのかやら、知りたくて見てたってこと?
「……っ」
顔が熱い
赤くなってるのバレなきゃいいのに
そう思ったけど、すぐに
「聖くん、顔赤い」
なんて、柔らかい笑顔を浮かべながら言われた
「……言わないでよ……」
人が隠したいと思ってるのに、結構ひどいことするよね
「過去に君と付き合っていた人がどんな風に思ったのかわからないが、俺は本当に楽しかったよ」
俺の膝の上にあった手に、ゆっくりと朝陽さんの手が重なった
「だから頼む。もう少し、俺と付き合っていてもらえないか?」
最初は脅迫するみたいに俺と付き合ってって言ったのに
なんで今、今度は俺がそんな風に言われてるんだろう