オキナグサ
第6章 違和感
そんなことを考えていたら、聖くんが触れるだけのキスをしてきた
「それに、中で気持ちよくなれるかどうかは才能だからね」
「そう……なのか?」
「そう。いつまで弄っても違和感があるだけって人も珍しくないよ」
ころん、と転がって俺の方へ身体を向ける
「それなら、確実に気持ちよくなれる俺が入れて貰った方がいいでしょ?」
「……」
なんだか、気にくわないな
俺ばっかり翻弄されるみたいだ
「それより、ちょっと仮眠しよう」
提案されて、時計を見る
確かにちゃんと寝るにはまだまだ早い
昼寝と言ってもいいぐらいの時間だ
晩御飯も食べなければいけないし
「あぁ、そうだな」
「こっち来て」
同意すると、伸ばされる腕に
引き寄せられるまま身体を寄せる
頭の下に腕を入れられて
顔は聖くんの鎖骨のあたりに持っていかれる
そのままきゅ、と軽く抱き締められると体温がじんわり伝わってきて
疲労感と共に眠気に襲われた
「おやすみ、朝陽さん」
「……おやすみ……」
ひじりくん、と呟いた筈の声がちゃんと音になって聖くんに伝わったのかどうかすらわからない
それほど滑らかに俺は深い沼へと落ちていくように眠った