オキナグサ
第8章 嫉妬
なに
煩いな
今朝陽さん見てたのに
もーすぐ寝るんだから少しは静かに……って
「佐倉?」
「ぁーーー……みほがわ……」
「なに? どうしたの?」
聞いてほしいアピールなの?
それとも本当に何かあったの?
いや、佐倉がアピールなんてしないか
つまりは何かあった
「き、聞いて……くれるのか……」
1回死んでゾンビになったとかだったらどうしよう
でも雰囲気が到底生きてると思えないんだけど
「おはよー聖、さく、ら……?」
皐月、その反応で正解だぞ
「おはよう皐月」
「お、は、よ……ぅ」
「ど、どうしたの……?」
佐倉側から来た皐月は通常なら佐倉の隣に座るんだけど、何となく気が引けたのか回り込んでまで俺の隣に座った
生贄か
「講義終わったらでいいから、話……聞いてくれ……」
妙に謙虚なところが好きだよ、佐倉
俺たち真面目に講義出てるし、多少サボったところで単位落とすなんてまずないけど
「今日は彼女さん待ってないの?」
皐月がそう聞くと
「ぅ……ぅわぁぁぁぁあ!? 聞くな!!! 後で!!! 話すから!!!!」
頭を抱えながら叫んだ佐倉に、教室中ドン引き