
オキナグサ
第9章 狂嫉
朝陽さんが1人で行ったらパクッといかれそう
それに、俺自身に変なのも寄ってこないし
一石二鳥だね
「本当に……?」
「ちょっと、なんで驚いた風なの? 別にいいよ。何か隠したいことがあるわけじゃないんだから」
あんまり驚かれると俺もショックなんだけど
「あ……あぁ、すまない。疑っていたわけでは……」
まったく
いいけどさ
「そんなに行ってみたい? いつにする?」
「聖くんのことを知れるなら、行ってみたいよ。そうだな……」
スケジュール帳で予定を確認する朝陽さんを見ながら、ちょっと嬉しい気持ちになる
知りたい、だって
「来週は仕事が立て込みそうだからな……次の休みか、月末か……」
「朝陽さんがいいなら、近いうちに行こう。今度のお休みは予定入ってるの?」
「休みは……」
朝陽さんのスケジュール帳を覗き込もうとすると、軽く隠されて
ちょっと不満が出たところで
「聖くんと時間を作れるかもしれないと思うと、予定を入れられなくて……」
それで、何にも入ってないってこと?
恥ずかしがりながらもその後見せてくれたカレンダーには、平日はびっしり予定が書いてあるのに確かに休みの日は真っ白だった
